言語処理学会ニュースレター Vol. 8 No. 1 2001 年 2 月 28 日 言語処理学会 The Association for Natural Language Processing (http://www.crl.go.jp/nlp) 言語処理学会事務局: 〒152-8552 東京都目黒区大岡山 2-12-1 東京工業大学 大学院情報理工学研究科 計算工学専攻 田中研究室内 Tel: 03-5734-3046, Fax: 03-5734-2915 http://www.crl.go.jp/nlp 内容: □ ニュースレターのリニューアルのお知らせ □ 論文投稿方法の変更のお知らせ □ [会議報告] アジア言語処理関連学会連合の設立準備会 □ 言語処理学会 第7回 年次大会(NLP2001)プログラム ---------------------------------------------------------------------- ・2001年3月26日から30日にかけて,第7回年次大会が開催されます. ---------------------------------------------------------------------- ====================================================================== ■ニュースレターの電子メール化と郵送の原則中止について 佐藤理史(ニュースレター担当) これまで,ニュースレターは,学会の広報の中心的な役割を果たしてきました. しかし,各種の理由により,定期的に発行する状態には至らず,また,それに かかるコストは年間約50万円で,年間支出の約5%を占めています. 一方,インターネット等の普及により,会員の約95%が電子メールアドレスを 持つようになり,学会メーリングリストを通じて多くの情報がタイムリーに伝 えることが可能になってきました. このような現状認識に立って,昨年の夏から,ニュースレターのリニューアル について理事会で議論してきました.その結果,次のような変更を行なうこと に決まりましたのでお知らせします. 【変更点】 (1) 会員への広報の中心を,ニュースレターから学会ホームページ (http://www.crl.go.jp/nlp)へ移す. (2) ニュースレターは,2カ月に1回,ホームページの新着・更新情報を中心 に電子メールで送付する(ニュースレターの電子メール化). (3) ニュースレターへの掲載記事の間口を広げる.投稿記事,企画記事を掲載 する. (4) ニュースレターの郵送は,本号(Vol.8, No.1)を最後に,原則として中止する. 最も大きな変更は,(4)の郵送の原則中止です.郵送には,印刷を含めて10日 程度の時間的遅れが発生するとともに,印刷費・郵送費がかかります.95%の 会員が電子メールアドレスを登録していることから,ニュースレターの郵送の 必要性は薄れていると判断しました. しかしながら,電子メールアドレスやインターネットへのアクセス手段を持た ない会員のために,今年(2001年)中は,希望者に限り,例外的にニュースレター の郵送を行ないます.郵送希望者は,学会事務センター(本ニュースレターの 最後のページ参照)まで連絡をお願いします.なお,この例外的な郵送サービ スは,2002年からは有料化される可能性があります. ====================================================================== ■言語処理学会への論文投稿者の方へ 編集委員会 2000年6月の総会にてお知らせしたとおり,論文誌投稿に電子投稿査読システ ムを導入し試験運用をしてまいりましたが,ほぼ安定した状態で運用できるよ うになってまりましたので,正式運用に入ります. これにともない投稿の方法が以下のように変わります. (1)編集長へのメールによる投稿連絡 論文投稿に先だってタイトルページの情報(著者,表題,概要,代表著者の連 絡先)を電子メールにて編集事務局(現在は jnlp@r.dl.itc.u-tokyo.ac.jp)に お送りください.なお,代表著者の連絡先としては下記の項目を記してくださ い. 郵便番号,住所,所属機関,部課名,氏名,電話番号,FAX番号,電子メール アドレス (2)ハードコピー送付 ハードコピーの原稿2部を編集長にお送りください.これは,次に説明する電 子投稿原稿が正しいものであることを確認するためのものですので,御協力く ださい. 送付先 〒 113-0033 東京都 文京区 本郷 7-3-1 東京大学 附属図書館内 情報基盤センター 図書館電子化研究部門 中川 裕志 宛 tel: 03-5841-2729, Fax: 03-5841-2745 (3)電子投稿 言語処理学会の論文査読は RACCO という電子的投稿査読システムを用いて行 なうことになります. (3-0) まず,下記のURLにアクセスしてみてください. http://review.submit-asap.org/ 論文投稿の方法についてお知りになりたい方は,このページの「はじめての方 に」という部分に書かれている 「HELPページへ」というリンクをクリックし ていただきますと,オンライン投稿方法の説明を読むことができます. しかし,この査読システムの指示にしたがってすぐにお始めになっても大丈夫 です. (3-1) まず,「言語処理学会」をクリックしてください.言語処理学会のペー ジに入ります. (3-2) 言語処理学会のページに入ったら,初めての場合は,「電子メールアド レスの登録はこちらから」という表示の下の「register your info」をクリッ クしてください.これによって,あなたの電子メールアドレスを登録しパスワー ドもらうためのセッションに入ります. (3-3) >register というページで名前とメールアドレスを入力し,OKをクリッ クしていただくと電子メールであなたのパスワードが送られてきます.以下で は,このパスワードを利用して論文の電子投稿を行なっていただくことになり ます.なお,メールアドレスとパスワードは一度,登録しますと,次回から同 じものが使えます. (3-4) パスワードを入手したら,再び http://review.submit-asap.org/ にア クセスし,言語処理学会のページに入ってください. (3-5) 今度は, e-mail と password に(1)-(3)で登録したあなたのメールア ドレスとパスワードを入力し,LOGIN をクリックしてください.すると, >Welcome to Racco というページに入ります.最初の方は,「ユーザ情報を 登録」をクリックしてユーザ情報を登録していただきます. (3-6) 次に -----New Paper----- をクリックしていただくと論文の電子投稿 が開始されます.後は,画面の指示にしたがって進むと電子投稿ができます. 投稿後,査読プロセスが開始されます. 注意事項 1 : 投稿の画面においては全ての欄を確実に記入してください.空 白の欄がありますと投稿が受け付けられません. 注意事項 2 : 御自分の投稿論文が電子投稿でRACCOシステムに正確にアップロー ドされたかどうかを確認したい方は,ダウンロードして確認してみてください. なお,投稿ファイルのフォーマットですが,pdf か text が望ましいです. 「自然言語処理」への掲載原稿は従来通り tex を処理して ps にいたします. したがいまして,ps ファイルから Adobe Acrobat の distiller で pdf ファ イルに変換していただくのがよろしいと思います.お手数ですが,よろしくお 願いします.なお,どうしても投稿用に許されているフォーマットのファイル 作成の都合がつかない場合は編集長までメールにてご相談ください. 査読結果は従来通り,編集長より電子メールにて送られます. ====================================================================== ■[会議報告]アジア言語処理関連学会連合の設立準備会 辻井 潤一(言語処理学会・会長) 本学会・理事会では,言語資源の共有化,標準化がヨーロッパ・米国を中心に 急速に進展し,アジアからの参加を求められていること,ACLからアジアの研 究者に対してAsian Chapter設立の呼びかけがあることなどを考慮し,アジア 地域での協力関係を自主的に進めていく組織的な取り組みの議論を続けてきま した.ACL香港の会議が昨年9月に行われた際にアジアの研究者たちとの懇談会 をもち,また,このたび,1月18日,東京にて,アジア言語処理関連学会連合 (Asian Federation of Natural Language Processing Associations)(仮称) の設立準備会議を開催しました. この設立準備会は本学会の主催ではなく,有志が参集するという形式ではあり ましたが,本学会も参加を求められていること,また,本学会の今後とも深く 関連するかと思いますので,その概要を報告いたします. 本学会の理事会からは,飯田前会長(顧問),徳永本学会理事,私が参加し たほか,日本から,松本情報処理学会NL研究会委員長,黒橋先生(京都大学), 白井先生(東京工業大学)が参加しました.アジアからは,インド・インドネ シア・タイ・マレーシア・台湾・香港・韓国が参加し,日本を合わせて8ヶ国・ 地域からの参加を得ました. 本準備会で議論の主なものは,下記のようです. (1) アジアの現況,ヨーロッパ・米国の関連組織の動きなどを勘案すると, AFNLPを設立することの意義は非常に大きい. (2) AFNLPは,個人会員ではなく,各地域にある学会組織・研究組織の連合 体として組織する.日本・韓国・台湾にはすでに学会・研究会組織がすでに存 在するので,これらの組織にメンバーとして参加を呼びかける.また,そのよ うな組織がない地域(インド・インドネシア・タイ・マレーシア・香港)では, 活発な研究メンバーがいる研究機関に参加を呼びかける. (3) AFNLPは,正式のメンバー以外にリエゾン・メンバーを設ける.このリ エゾン・メンバーは会員組織とは異なりAFNLPの運営には直接関与しないが, リエゾン・オフィサーを指定してもらい,AFNLPとの情報交換を活発にする. このリエゾン・メンバーは,下記のような組織を対象とし,今後,積極的に参 加を呼びかけていく. (A)アジア・太平洋地域の関連する会議(NLPRS,ROCLING,PACLING,PACLIC, ICCPOL,IRALなど) (B)国際組織(ACL,COLING・ICCL, ACM・SIGIR, IAMT/AAMTなど) (C)正式メンバーよりもリエゾン・メンバーであることを選んだ地域の学会, あるいは,研究組織. (注1) 今回,参加できなかった中国,オーストラリア,ニュージーランド, シンガポール,および,モンゴルやカザフスタンなど旧ソ連邦の諸国,アラブ 諸国にある諸組織・機関にも,正式メンバー,リエゾン・メンバーのいずれか の形で参加してもらう. (注2) この会議後,ACLのExec CommitteeでAFNLPの件を報告した.ACLから は,辻井がACLのリエゾン・オフィサーとなることになった. (4) 言語資源共有のための委員会(委員長:田中穂積)をAFNLPの下部委員 会として発足させ,ISLE/EAGLE, ELRA,LDC,Open Language Archiveなど,域 外の活動に対してアジアとして関与していく. (注3) 会議後,ヨーロッパでELRA活動の中心となっているZampolli教授, Calzolari教授と話をしたところ,現在,ELRAと米国LDCとの間でより緊密な連 携をとる話が進行中とのこと.アジアの受け口に,AFNLPがなれるかというこ とだったので,ELRAやLDCと同レベルでの参加は時機尚早であるが,アジアの 窓口として機能することは可能との返事をしておきました. (注4) 言語資源共有化のためのISLE/EAGLE会議にも,アジアからの参加を要 請されています.ISLEは,現在4つのSub-committeeを構成しており,各 Sub-Committeeに1−2名程度,アジアから研究者が参加できると有り難いと のこと.参加する場合,旅費などの一部は,米国・NSFからのサポートがある とのことでした. (注5) ACLでは言語処理Softwareのカタログ作りを行っています.ドイツの DFKIがまとめていますが,これについてもアジアからの協力を求められていま す. (5) 韓国KAIST(Choi教授)のところに,AFNLPのHome Pageを立ち上げる. (6) (5)のHome Pageを使って,電子版のニューズ・レターを発行するこ ととし,このニューズ・レター発行のための編集グループを構成する.また, アジア・太平洋機械翻訳協会が紙版のジャーナルを発行しているので,このジャー ナルを当面印刷媒体のニューズ・レターとし,電子版のニューズ・レターから の記事を転載する. (7) 現在の段階では,会員組織の財政的援助を前提とはしない. 以上が会議の内容ですが,アジア研究者間の協力への熱意は非常に高まってい るとの印象をうけました.今後,本件に関して,本学会理事会を中心に議論を 進めていきたいと思っていますので,学会会員からのご意見を歓迎いたします. なお,今回の会議には,時間的な制約で中国からの参加は得られませんでした が,今後,参加を積極的に求めていく予定です.会議参加者は,以下の通りで した. [参加者リスト] Choi, Key-Sun (Korea, KAIST) Hammam Riza (Indonesia, BPPT) Huang, Chu-Ren (Taiwan, Academia Sinica) Kawtrakul, Asanne (Thailand, Kastsart Univ.) Rim, Hae-Chang (Korea, Korea Univ.) Sangal, Rajeev (India, IIIT) Sornlertlamvanich, Virach (Thailand, NECTEC) Tsou, Benjamin (China, City Univ. of HongKong) Zaharin, Yusof (Malaysia, Univ. Sains Malaysia) 辻井 潤一(東大) 黒橋 禎夫(京大) 松本 裕治(奈良先端大) 飯田 仁(ソニーCSL) 白井 清昭(東工大) 徳永 健伸(東工大) (以上) ====================================================================== ■ 言語処理学会 第7回 年次大会(NLP2001)プログラム 2001年3月26日から30日にかけて東京大学で開催される第7回年次大会のプロ グラムが決まりました. プログラムは,学会ホームページ に掲載されています.ふるってご参加下さい. ====================================================================== ・学会に関する問い合わせは「学会センター関西」にお願いします. 〒560-0082 豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンタービル14F 学会センター関西 (担当: 山元 理恵) Tel: 06-6873-2301 Fax: 06-6873-2300 Email: o-socie@bcasj.or.jp [ニュースレター担当] 佐藤理史 〒 606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻 Fax: 075-753-5962 Email: sato@i.kyoto-u.ac.jp ======================================================================